●CPC・CPM・CPAはそれぞれ役割が異なり、目的に応じて優先して見る指標を切り替える必要がある
●業界別の平均CPAが高くても、LTVや粗利次第では十分に成立するケースは多い
●予算設計では先に許容CPAを決め、CPAをCPCとCVRに分解してボトルネックを特定することが重要
●CPAだけで広告を止めると、本来改善できる広告を失うリスクが高い
●インスタ広告は入口施策であり、LPや追客導線まで含めた設計で成果が決まる
「インスタ広告って、結局いくらかかるの?」
そう聞かれて、はっきり答えられずに困った経験はありませんか。
CPC・CPM・CPAの平均値を調べても、
「自社は高いのか、普通なのか、悪いのか分からない」
という声を、私は現場で何度も聞いてきました。
この記事では、
業界別のインスタ広告費用相場を一覧で整理しつつ、
その数字をどう判断し、どう使えばいいのかを実務目線で解説します。
読み終えたときには、
「平均に振り回されず、次に何を直せばいいか」
が見える状態になるはずです。

インスタ広告の費用指標(CPC・CPM・CPA)とは?まず何を見ればいいのか
結論から言うと、インスタ広告の費用は「どの成果を目的にするか」で、見るべき指標が変わります。
にもかかわらず現場では、
「とりあえずCPCが高い/安い」
「CPAだけ見て良し悪しを判断している」
というケースが本当に多いです。
まずは、3つの指標の役割を整理することが、業界別相場を正しく使う前提になります。
CPC・CPM・CPAの違いを一言で言うと?
- CPC(クリック単価)
→ 1クリック獲得するのにかかった費用
→ 広告クリエイティブやターゲティングの良し悪しを見る指標 - CPM(インプレッション単価)
→ 1,000回表示されるのにかかった費用
→ 業界の競争激しさ・入札環境を見る指標 - CPA(獲得単価)
→ 1件の成果(購入・問い合わせ)にかかった費用
→ ビジネスとして成立しているかを見る最重要指標
ここを混同したまま相場を見ると、「平均より高い/低い」に振り回されて判断を誤ります。


私の現場経験でよくある失敗例
正直に言うと、こんな相談が非常に多いです。
「CPAが高いので、広告がダメだと思って止めました」
実際に中身を見ると、
- CPC:平均より良い
- CPM:業界標準
- CPA:高い
原因は 広告ではなくLP(ランディングページ) だった、というケースがほとんど。
👉 CPAだけで判断すると、改善余地のある広告を止めてしまうリスクがあります。
判断基準|どの指標を優先すべきか?
目的別に整理すると、判断はシンプルです。
- 認知拡大が目的
→ CPMを重視 - 見込み客を集めたい
→ CPCを重視 - 売上・問い合わせが目的
→ CPAを最終判断に使う(ただし分解して見る)
なぜインスタ広告の費用は「業界別」でここまで差が出るのか?
結論から言うと、インスタ広告の費用差は「広告の上手い・下手」よりも、業界構造で8割決まります。
ここを理解せずに平均値だけを見ると、
「自社は効率が悪いのでは?」
と、必要以上に不安になるケースが多いです。
業界別で費用が変わる3つの構造要因
インスタ広告のCPC・CPM・CPAは、主に次の3点で上下します。
- 競合の広告出稿量(入札の激しさ)
- 美容・EC・スクール系は参入企業が多く、CPMが上がりやすい
- BtoBやニッチ業界は比較的CPMが落ち着きやすい
- 商材単価・LTV(顧客生涯価値)
- 単価が高い業界ほど「多少CPAが高くても回る」ため、入札が強気
- 結果として、CPA相場も自然と上がる
- ユーザーの検討期間・行動難易度
- 衝動買い(アパレル・コスメ)
→ CPC・CPAは低め - 比較検討が長い(BtoB・不動産・教育)
→ CPAは高くなりやすい
- 衝動買い(アパレル・コスメ)


「平均より高い=失敗」ではない理由
ここは強調しておきたいポイントです。
例えば、
- 美容業界で
- CPA:8,000円 → 高いように見える
- 1顧客のLTV:50,000円
→ むしろ優秀
一方で、
- 低単価ECで
- CPA:3,000円
- 利益:2,000円
→ 広告は回っていない
👉 **費用相場は「正解」ではなく「比較の起点」**です。
現場で私が必ずやるチェック手順
私の経験上、業界別相場を見る前に、必ず次を整理します。
- 自社商品の
- 平均単価
- 粗利
- LTV
- 1件獲得できたら
- いくらまで広告費をかけられるか(許容CPA)
これが曖昧なまま
「業界平均より高い/低い」
を見ても、正しい判断はできません。
【業界別】インスタ広告の費用相場一覧|CPC・CPM・CPA平均値
ここからが、多くの方が一番知りたいパートだと思います。
先に前提をお伝えすると、以下の数値は私の実務経験+公開データをもとにした**「実務で使える目安」**です。
👉 **絶対値ではなく「判断の基準線」**として見てください。
業界別|インスタ広告の平均費用相場(目安)
| 業界 | CPC(クリック単価) | CPM(表示単価) | CPA(獲得単価) |
|---|---|---|---|
| EC・物販 | 40〜120円 | 800〜1,500円 | 2,000〜6,000円 |
| 美容・健康 | 80〜200円 | 1,200〜2,500円 | 5,000〜12,000円 |
| 飲食・店舗 | 30〜100円 | 600〜1,200円 | 1,500〜4,000円 |
| 教育・スクール | 100〜300円 | 1,500〜3,000円 | 8,000〜20,000円 |
| BtoB(リード獲得) | 150〜400円 | 1,800〜3,500円 | 10,000〜50,000円 |
※配信条件(ターゲット・地域・クリエイティブ)により前後します。


業界別の特徴と「相場の考え方」
EC・物販
- CPC・CPAともに比較的低い
- ただし 利益率が低いと一気に赤字化
- 👉 CPAではなく「ROAS」で判断必須
美容・健康
- 競合が非常に多くCPMが高い
- 定期購入・LTV前提ならCPAは許容しやすい
- 👉 初回CPAだけで止めるのは危険
飲食・店舗
- CPC・CPAは低め
- 来店率・リピート率で成果が変わる
- 👉 Googleマップ・LINE連携が鍵
教育・スクール
- CPAは高くなりがち
- その分、1成約の価値が大きい
- 👉 資料請求→説明会→成約の分解が重要
BtoB
- CPC・CPAともに高水準
- 成果は「今すぐ」出ない
- 👉 商談化率・LTV前提で見る
私が現場でよく見る「勘違い」
「BtoBでCPA2万円は高すぎますか?」
正直に言うと、
LTVが50万〜100万円なら、むしろ安いです。
逆に、
「ECでCPA3,000円なら優秀ですよね?」
→ 利益が2,000円なら即アウト。
👉 **相場は“良し悪し”を決めるものではなく、“ズレを見つけるもの”**です。
業界平均をどう使う?インスタ広告の予算設計とKPI設定の実務手順
結論から言うと、**業界平均は「目標値」ではなく「ズレを発見するための物差し」**です。
平均値をそのまま目標にすると、ほぼ確実に判断を誤ります。
私の現場では、平均 → 分解 → 自社基準に再設計の順で使います。
ステップ1|まず「許容CPA」を先に決める
最初にやるべきは、広告指標ではありません。
ビジネス側の数字整理です。
- 商品・サービスの平均単価
- 粗利率
- LTV(リピート・継続含む)
- 広告以外の固定費
👉 ここから
**「1件獲得に最大いくらまで使えるか(許容CPA)」**を出します。
※ 業界平均CPAは、この許容CPAと比べるための参考値です。
ステップ2|CPAをCPC・CVRに分解する
次に、CPAを分解して考えます。
CPA = CPC ÷ CVR
つまり、
- CPAが高い
→ CPCが高いのか?
→ CVRが低いのか?
ここを分けないと、改善ポイントを間違えます。


ステップ3|業界平均と「ズレている箇所」だけを見る
私が必ずやる比較は、これだけです。
- CPC:業界平均と比べてどうか?
- CPM:極端に高くないか?
- CVR:広告後の受け皿は弱くないか?
👉 全部が平均以下を目指す必要はありません。
例えば、
- CPC:高い
- CVR:高い
- CPA:許容内
→ 問題なし
逆に、
- CPC:平均
- CVR:低い
- CPA:高い
→ LP・導線がボトルネック
ステップ4|最初から「勝ちに行かない」設計にする
特に初期配信でやりがちなのが、
「最初からCPAを合わせに行く」
これは失敗しやすいです。
私のおすすめは、
- 初期:
- CPC・CTRを安定させる
- 次:
- CVR改善(LP・オファー)
- 最後:
- CPA最適化
👉 **広告は“調整型の施策”**なので、段階を踏む方が結果が出ます。
業界別相場を見ても成果が出ない人の共通点|よくある失敗と回避策
ここまで相場・平均値・予算設計の話をしてきましたが、
それでも成果が出ないケースは実際にあります。
正直に言うと、その多くは
「相場の見方」ではなく
「使い方」を間違えているだけです。
失敗①|平均値を「目標値」にしてしまう
これは一番多い失敗です。
- 「業界平均CPAが5,000円だから、5,000円を目指そう」
- 「平均CPCより高い=広告が悪い」
👉 平均値は、上手くいっている企業・失敗している企業を全部混ぜた数字です。
目指すものではなく、ズレを確認する基準に過ぎません。
回避策
- 平均値 → 自社の許容CPAと比較する
- 高い/低いではなく「なぜズレているか」を分解する
失敗②|CPAだけ見て広告を止めてしまう
私の経験上、これは本当にもったいないです。
- CPAが高い
→ 即停止
→ 実はCPC・CTRは優秀だった
というケースは非常に多い。


回避策
- CPAを
- CPC
- CTR
- CVR
に分解して確認
- 広告が原因か、LPが原因かを切り分ける
失敗③|業界構造を無視して他社と比較する
特に多いのが、こんな比較です。
「同業A社はCPA3,000円らしいのに、うちは8,000円…」
でも実際は、
- 商材単価
- LTV
- ターゲット層
- 配信地域
がまったく違う、ということがほとんど。
👉 同じ業界でも“同じ条件”でなければ比較は意味がありません。
回避策
- 比較するなら
- 同じ目的
- 同じターゲット
- 同じファネル段階
で揃える
失敗④|広告だけで完結させようとする
インスタ広告は
**「入り口」**であって、
「成約装置」ではありません。
- LPが弱い
- オファーが弱い
- 追客導線がない
この状態でCPAを下げようとしても、限界があります。
回避策
- 広告 → LP → 追客(LINE/メール)までを一連で設計
- 広告改善と同時に、受け皿も必ず見る
まとめ|インスタ広告の費用相場は「比較」ではなく「判断」に使う
この記事でお伝えしてきたポイントを整理します。
- インスタ広告の費用は 業界構造で大きく変わる
- 平均値は「目標」ではなく ズレを見つける基準
- CPAだけを見ると 止めるべきでない広告を止めがち
- 正解は
業界相場 → 分解 → 自社の許容CPAに再設計
正直に言うと、
「相場を知っただけ」で成果が出ることはありません。
でも、相場を正しく使えるようになると、無駄な判断ミスは確実に減ります。
失敗回避ポイント|最低限ここだけは押さえてください
- 業界平均CPAをそのまま目標にしない
- CPAは必ず CPC/CVRに分解する
- 「高い・安い」ではなく LTVと粗利で判断する
- 広告だけで完結させず LP・追客導線まで見る
この4つを意識するだけで、
インスタ広告の“無駄打ち”はかなり減ります。
まずは「自社基準」を整理してみませんか?
もし今、
- 業界平均と比べて良いのか悪いのか分からない
- CPAが合わず、止めるべきか悩んでいる
- 予算の説明を社内・上司に求められている
そんな状態なら、
一度「自社の許容CPA・KPI構造」を紙に書き出すだけでも効果があります。
それでも判断が難しければ、
「どこがボトルネックか」を整理する相談からでも構いません。
売り込み前提ではなく、状況整理の延長として考えてみてください。
